セミナーのマイクロフォーマット

2013年10月11日(金)に「大学職員のためのインストラクショナルデザイン入門」セミナーを実施しました。早稲田総研インターナショナルの企画でした(http://www.quonb.jp/seminar/detail.php?n=0135)。

インストラクショナルデザインの知見を最も必要としている職種のひとつが大学職員だと日頃思っていたので、このセミナーはとてもやりがいのあるものでした。2時間半という長さに、インストラクショナルデザインのエッセンスを詰め込むのは、挑戦的な課題でしたが、今回は「セミナーのマイクロフォーマット」というアイデアを試してみました。

マイクロフォーマットとは、だいたい15分を基本ユニットとして、セミナーを組み立てていく方法です。15分は以下から構成されます。

  • 10分間のレクチャー
  • 3分間の4人グループでの対話
  • 2分間のシェア(2グループを指名)

このようにすれば、参加者は長い話を聞いて飽きることはありません。講師による話は最長10分間で区切ります。

4人グループによる対話は3分間の割当ですので、1人1分以内です。何を話すかは講師ができるだけシンプルなタスクを明示します。たとえば「ここでお話しした3つの視点のうち最も重要なものは何だと考えますか」というようなタスクです。

2分間のシェアでは、2つのグループを指名して話した内容を簡潔に紹介してもらいます。グループ内でじゃんけんをして、勝った人が代表で話します。これも1分以内です。

以上のような15分のユニットを組み立てて、指定時間の長さのセミナーを構成します。これ以外に、質問があれば受け付けますので、20分くらいかかる場合もありますが、これくらいの長さで1つのユニットが終わることがポイントです。

やってみた感じでは、マイクロフォーマットによるセミナーはうまくいったように思います。参加者は、話を聞くだけでなく、そのあとに自分の言葉で話すことで考えがまとまり、定着します。また、シェアすることで、全体としてどのような考えがあるのかを知ることができます。そしてなにより、あとで自分で話すというタスクがあることで、講師のレクチャーを真剣に聞くということです。

このマイクロフォーマットによるセミナーをしばらく実践していこうと考えています。

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Categorized as 研究

作者: kogolab

早稲田大学人間科学学術院で教員をしています.

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