ガルウェイ『新インナーゲーム』

ティモシー・ガルウェイ『新インナーゲーム』(日刊スポーツ出版社, 2000)

現代コーチング理論の源流となる本。しかし、その考え方はオリジナルで、今も輝きを失わない。

全編テニスの例を出して、「どうして本来の力が出せないのか?」ということを考察する。その結論は、ただボールを打つ自分(セルフ2)に対して、常に語りかけ、叱責し、支配しようとする声(セルフ1)があり、その妨害をなくすことができれば、本来の力が出せるのだということだ。

セルフ1は自分について考える自分であり、その声にしたがっていればその通りの自分(セルフ2)になってしまう。その声を消すためには、目の前で起きていることを判断・評価なしに集中すればよい。たとえば、ボールの縫い目に集中する。そうすれば、自分のフォームについて判断することなく、本来の自分の力でボールをヒットすることができるだろう。一度でうまく行かなくても、急速に学習するだろう。逆に、毎回の自分のフォームについて反省していれば、ますますぎこちなく不自然になり、結果として学習が妨害されるだろう。

ここから、コーチの仕事とは、何かを教え込むことではなく、クライエント自身の内側で起こっている自分自身への妨害をなくしていくことなのだとする。そうすれば、クライエント自身が自然に修正していくだろう。

エリック・バーン、マズロー、ロジャーズの影響もあり、ヒューマンポテンシャルムーブメントの背景もある。しかし、この本のクリアさと説得力は、実際のテニス(他にもスキーやゴルフ)のコーチングにおいて実績をあげているということにある。

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